概要


運営代表者
教授 阿尻 雅文
東北大学多元物質科学研究所
東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)

日本が誇る材料開発技術は大きな転換期を迎えています。材料機能の発現を新物質合成に依るだけでなく、その材料のサイズ、形状、配列、相分離構造、多階層構造を制御することにより、単一材料のバルク機能とは全く異なる機能の発現が求められるようになりました。複数の材料機能を同時に発現させたり、個々の材料物性の協奏機能を発現させることが求められるようになりました。また、それらを開発していく人材も求められています。

平成19年度から23年度まで、東北大学と(財)化学研究評価機構は、経済産 業省、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けて、超ハイブリッド材料技術開発を実施しました。その結果、従来では不可能だった高分子中へのナノ粒子の超高濃度分散と低粘性化に成功し、高機能のフレキシブル光学材料・高熱伝導材料等の開発に成功しています。

この国家プロジェクトの主要成果である「超臨界法ナノ粒子表面修飾技術開発」の成果は、上記の応用分野に限られません。印刷、塗料、触媒、構造体、半導体、エネルギー・環境材料、化粧品、食品等、幅広い産業分野への応用が期待され、多くの企業の方々から技術の展開を求める声を頂きました。
そこで、本技術を広い産業分野に普及させつつ、また本技術を新たな産業技術基盤にしていくために、「超臨界ナノ材料技術開発コンソーシアム」を新たに結成いたしました。

超臨界ナノ材料関連技術、ナノ粒子ハンドリング・応用技術を広く普及させつつ、人材育成を精力的に行っていきます。超高濃度ナノ粒子分散系の相平衡、物性推算、そして(多階層)構造化に関する科学基盤を確立させ、新たな産業技術基盤(産業への知識基盤の還元体制)を構築していきたいと思っております。産と学とのスパイラルアップ型の協奏研究開発体制を目指します。

産学コンソーシアム概念

本コンソーシアムの基盤技術